VOCALOID・UTAU一押し楽曲紹介5

Good evening. ニャゴラです。

本日紹介するのは芳田の「月光ラプソディ」です。この曲の感想としは、「調声が凄すぎる」これにつきます(勿論他にも色々良いですが)。感情が目に見えるかのような魂の調声にグッときてしまいます。時代と共に調声のクオリティはどんどん上がっていますが、このレベルには中々出会えないと思います。

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本日は調声とその魅力について語りたいと思います。(ただ自分で調声をしたことがあるわけじゃないので、間違った説明があったらごめんなさい)

VOCALOIDの面白いポイントの一つに「調声」、昔は「調教」と呼ばれていた技術があります(今でも調教と呼ぶ人はいますが、調声の方が主流になっているイメージです)。VOCALOIDは音程と歌詞を入れれば歌ってくれる訳ですが、それだけでは綺麗には歌ってくれません。昔は「ボカロは歌詞が無いと何を歌っているのかわからない」なーんて時代もありました。この思い通りにいかないじゃじゃ馬を制御する様子から「調教」という言葉が生まれたのだと思います。そこでビブラートやしゃくりを入れたり、わざと実際の歌詞とは違う言葉を入れたり、母音の音を削ったり、子音だけ別の音とすり替えたり、子音の後部の母音部分とその次に来る母音の音符の前部(または母音同士)を交差させて音を滑らかに繋げたり(母音結合っていうらしいけど自分でやったことねぇからさっぱりわからねぇ...)と各種パラメータをいじって滑らかに聞こえるようにします。これが調声です。

だだ、調声は単純に聞き取りやすくするだけのものではなく、作り手の個性を表現するものでもあります。例として、初音ミク10周年を記念して作られた豪華12人のメンバーによる「Re:start」というコンピレーションアルバムについて話します。アルバムのコンセプトでもあるので勿論12人全員が初音ミクを使用して楽曲を作っています。でも12曲それぞれから全然違う初音ミクの声が聞こえてくるんですよ。そこで非常に面白いと思ったのは声を聴くだけで誰が作った(誰が調声した)曲かがわかったんですよね。それくらい調声は作り手の癖、個性が出るところということです。

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曲を好きになる要素が色々あるなかで「歌っているアーティストの声が好き」「歌い方が好き」というのは往々にしてあると思います。その人が持っている声は唯一無二のものですし、歌い方も人を引き付ける魅力があります。その声、歌い方がボカロでは「調声」にあたるわけです。普段ボカロを聞かない人からしたら、ボカロの声なんて全部同じ無機質な電子音に聞こえてるかもしれませんが、実は使う人によって全然違う声になり、非常に個性が出るところであります。

私は「魂」を感じる調声が大好きです。これはVOCALOIDの魂という意味でもありますし、作り手の魂という意味でもあります。まるでVOCALOIDが感情(魂)をもっているかのように聞こえる調声は素晴らしいですし、感情を感じる、感じないに関わらず、作り手のこだわり(魂)を感じる調声にもグッときます。例えばわざと声を震わせて泣きながら歌っているように聴かせたり、がなり声を使って曲をかっこよくしたり、EDM系の曲でわざと機械感を出した声にしたりなど。なので「調声の凄さ」というのも一定の方向ではなく、様々なベクトルの凄さがあります。

長々と書きましたが、使う人によって、調声によって全く違う個性が出る、というのがVOCALOIDの非常に面白いところの一つだと思います。中々普段聴かない人に理解していただくのは難しいと思いますが…

他にもクオリティが高かったり、個性的で個人的に好きな調声の曲が沢山あるので紹介していければと思います。

それでは今回はここまで!