トライアングルストラテジー感想

トライアングルストラテジーの1周目をクリアしたので、感想を書いていきたいと思います。作品のネタバレや、ネガティブな意見も多分にありますのでご注意ください。
まず、総評としては面白かったです。面白かっただけに、気になるところがたくさんあって惜しいという気持ちです。モヤモヤして夜5分くらい眠れなくなったので、ここで吐き出してスッキリしたいと思います。
また、このゲームは恐らく通常エンディングが3つある+新エンディングがある、という感じのようですが、自分は通常エンディング1つしか見てないので、1つのエンディングに対する感想になります。


<信念の天秤>
このゲームの根幹のシステムとして、信念の天秤というものを用いて、主人公たちが進むべき道を決める、というものがあります。自分の選択によってその後のストーリーや仲間になるキャラに変化があるとても面白いシステムです。7人の投票(多数決)によって結果が決まるんですが、問題だと思ったのはこの7人に主人公のセレノアが含まれていないことです。投票前に7人を説得できるので、実質的には自分の選んだ道に進むんですが、自分で選んでる感が薄れちゃうんですよね。滅茶苦茶重要なことを決める場で主人公が「俺は選ばない、多数決で決める!判断はお前たちに任せる!決まった結果に俺は従う!(意訳)」みたいに見えちゃって、無責任感が出てしまってました。基本的に主人公のセレノアは超聖人で良いキャラなんですが、この信念の天秤で投げやりっぽく見えて魅力が下がってしまっている感じがしました。

<キャラの魅力>
これは自分の好みの問題ですが、本作では熱烈に好きになるキャラに出会えませんでした。自分にとってはキャラが好きかどうかが物語を味わう上での重要な要素なので、この点は少し残念です。また、逆に好きじゃないキャラが多かったです。特にうーんっと思ったキャラについて書きます。

・ロラン王子
主人公の国グリンブルク王国の第二王子です。最初から最後まで一緒に戦うキャラです。基本的に主人公陣営はみんな良いキャラなんですが、ロラン王子だけは好きになれませんでした。主人公に頼りっぱなしだったり、感情論で動いて事態を悪い方向に持っていったり、色々あって王子として成長したと思いきや、最後の最後で国を他の国に渡して統治してもらうのが一番平和だとか言い出すし、その後主人公が国を離れて決断したときに俺も付いていくとか言い出すし(いや、お前は流石に国に残れよ)。

・敵キャラ全般
これは中世っぽい物語によくある話なんですが、自国、敵国問わず出てくる貴族が大体全員クソ野郎です。なんかよくわからいけど性格が悪いキャラが出てきて、それを主人公たちが成敗する、みたいな展開あまり好きじゃないんですよね...敵は敵なりに信念とか、矜持とか、悪の美学をもっていて欲しいです。敵国エスフロストの総帥グスタドルフ、同じく敵国ハイサンドの実質的なトップのイドーも絶妙に小物感があって、なんていうか"器"じゃないって感じがしました。

<育成の幅の狭さ>
自分はジョブチェンジシステムとか、スキル振りによって全く性能が変わるとか、武器の選択肢が多いとか、そういう人によって個性が出る育成ができるシステムが好きなんですが、トライアングルストラテジーは雀の涙ほどしか育成の幅がありませんでした。

<育成リソースの少なさ>
基本的に育成要素は武器くらいなんですが、その武器を育成するための素材があまりに少ない、というか手に入れる手段がないです。鉄鉱石→上質な鉄鉱石→特級鉄鉱石みたいな感じで素材のグレードが上がっていくんですが、特級の素材はストーリーの中でごく限られた数しか入手できないです。基本的に10人くらいのパーティで出撃するんですが、その中で武器を全強化できたのは1キャラだけでした。ストーリー以外でも商店で買えるんですが、一定の数を買うと売り切れて買えなくなります。じゃあ売り切れたらどうするか........どうやっても手に入りません。好きなキャラを育成したいのにできない、というのは非常にもどかしかったです。どうやら2週目以降は手に入るっぽいんですが、ゲームは1週しかしない人も多くいるでしょう。1週目で遊びつくせるような作りにしてほしかったです。

<敵が強すぎる>
これは難易度設定があるので文句言う所ではないんですが、敵が普通にくっそ強いです。ストーリーで全滅したことも何度か。ストーリーでは戦闘前に推奨レベルが表示されるんですが、基本的に推奨レベルより低い状態で戦闘されられます。稼ぎマップみたいなのも特にないので。歯ごたえがあるのは良い事ですが、少し爽快感が薄れてしまっている感じがありました。あと、そこまで前にユニットを出し過ぎているわけではない状況でも、敵に囲まれてリンチされて何もできず落ちることとかもあって、理不尽感も少しありました。

<エンディング>
なんやかんやあって、自分の選んだルートでは最後に主人公たちは故郷を捨てて、伝承にある新天地を目指して旅立つんですが、そこで最後追手との戦闘になります。そこで戦闘に勝利して無事旅立って終わり...でよかったのに、最後敵が自爆特攻してきて主人公が死にます。..................................................それいる??????????ここまで色々な理不尽な目にあいながらも自分の決めた道を信じて進んできた主人公たちウォルホート家。最後はある程度報われてハッピーエンドでよかったでしょ。基本的に物語は大団円ハッピーエンドが好きなので本当に蛇足だと思ってしまいました。


ここまでさんざん文句言いましたけど、基本的には面白かったです。まぁ、かのUNDERTALEもNルートだけでは評価できず、Pルートをやって初めて神ゲーへと昇華し、Gルートで完成されるゲームだったので、トライアングルストラテジーも新エンディングで今の自分の評価が覆ることを期待しています。

と、いうわけで2週目を始めたのですが、2週目はレベル、装備等を引き継げるのですが、敵も強くなります。というか強くなりすぎます。最初のチュートリアル戦で3回負けてコントローラー投げました。(最初だけはパーティメンバー少ないってのもありますが...)果たして新エンドまでたどり着けるのか...?クリアしたらまた感想書きたいと思います。